森林の調査・評価方法について

フォレストック認定制度では、森林の認定及びフォレストック取得後のモニタリングにおいて、専門的な調査能力を有する森林認証機関(※1)が、 「森づくりにおける森林吸収源・生物多様性等評価基準」(※2)に従って、「生物多様性の評価」及び「森林の管理・経営の評価」を採点し、 さらに森林吸収源(CO2吸収量)の算定を行います。 なお、フォレストック認定は、「生物多様性の評価」及び「森林の管理・経営の評価」が私有林の平均とみなされる50点以上の森林のみを対象になされることになっています。 以下に、「生物多様性」、「森林の管理・経営」及び「森林吸収源(CO2吸収量)」の調査・評価方法ついて、それぞれ概略を説明します。

(※1)
フォレストック認定制度において、森林の調査を行う森林認証機関は、現在のところFSCSGECの認定審査機関又は審査員で、 既に森林認証を行っており、信頼性が高く、フォレストック協会が基準に基づき適切と認めた先としています。具体的な認定機関に関しては、「森林認証機関/審査機関」をご参照ください。
(※2)
森づくりにおける森林吸収源・生物多様性等評価基準 PDF
<旧評価基準関連資料>

 森づくりにおける森林吸収源・生物多様性等評価基準(平成28年1月20日) PDF

 森づくりにおける森林吸収源・生物多様性等評価基準(平成27年11月26日) PDF

 森づくりにおける森林吸収源・生物多様性等評価基準(平成27年5月29日) PDF

 森づくりにおける森林吸収源・生物多様性等評価基準(平成26年7月8日) PDF

 森づくりにおける森林吸収源・生物多様性等評価基準(平成25年3月21日) PDF

 森づくりにおける森林吸収源・生物多様性等評価基準(平成25年1月21日) PDF

 森づくりにおける森林吸収源・生物多様性等評価基準(平成24年11月20日) PDF

 森づくりにおける森林吸収源・生物多様性等評価基準(平成23年10月24日) PDF

 フォレストック認定制度制度における調査仕様(平成22年9月) PDF
 森づくりにおける森林吸収源・生物多様性等評価基準(平成22年3月) PDF
 定時モニタリング実施要領(平成23年1月) PDF
 ※平成23年10月改定版評価基準にて上記3資料を統合

生物多様性の調査・評価方法

生物多様性の調査は、一定地点数以上(地形条件・標高差などできるだけ多様な地点)の植生・土壌等の現地調査に加え、受光伐の実施状況の調査、シカ食害の調査及び野生生物のフィールドサインの調査(現地調査)、関係者への聞き取り調査等の手法により行われます。

生物多様性の評価は、上記の調査結果を踏まえ、「生物多様性・水土保全面の定性評価指標(チェックリスト)」(15項目)に、植生・土壌等数値化できる「生物多様性主要定量指標」(5項目:相対照度、植物種数、植生被度、AO層の厚さ、土壌A層の厚さ)を用いて総合的に評価します。生物多様性の評価については、今後のフォレストック協会の知見の集積ならびに環境省等が提示する指針や有識者・調査審査実務者等からの意見等に基づき更なる改善に努める予定です。

森林の管理・経営の調査・評価方法

森林の管理・経営の調査は、伐採届、地拵・新植・下刈り・枝打ち・除伐等の事業量が確認できる資料、森林施業計画書、収穫予想表等の書類の分析及び施業担当者に対するヒアリング並びに対象森林の現地調査等の手法により行われます。

森林の管理・経営の評価は、上記の調査結果を踏まえ、「森林の管理・経営の定性評価指標(チェックリスト)」(12項目)に、 「林況主要定量指標」(5項目:本数密度指数、形状比、枯損木率、樹冠長率、最大・最小直径比)を用いて総合的に評価します。 これらの評価においては、対象とする森林に於いて森林吸収源が増加し、かつ、持続的経営がなされること、及び生物多様性を前提とした経営管理がなされているかどうかが重要視されます。

森林吸収源の調査・評価方法(CO2吸収量クレジットの算定手法)

森林のCO2吸収量クレジットの算定については、J-VER(環境省・気候変動対策認証センターが運営)の「持続可能な森林経営促進型プロジェクト」の吸収増大量の計上方法などを参考にして、次の2方法を採用しています。対象森林が比較的小面積で伐採届が保管されている場合は、「2.」のJ-VERの方法によることとし、それ以外の場合は、「1.」の方法によることとします。

  1. フォレストック認定の対象森林の人工林調査・植生調査・土壌調査等の調査箇所は、原則として10地点以上としており、森林管理が平均以上と認められることから、森林全体の立木材積増大量を基にし、炭素量の算定式等はJ-VERと同じとして算定する方法。
  2. J-VERの算定方法に同じです。即ち、材積増大量は1990年以降の伐採届が確認された森林を対象にした立木材積増大量で、モニタリング調査のプロットも樹種別に30haごとに調査して算定する方法。

CO2吸収量クレジットの算出に際しては、認定調査時に「主伐予定量申告書」により森林所有者が申告する、認定後1年間における樹種別、齢級別、面積別の主伐予定量に従い、主伐によるCO2排出数量及び更新によるCO2吸収数量を加算減算し、認定初年度のCO2吸収量クレジットを算出することとします。