【森からの便り】2011年 夏・秋

 日本土地山林株式会社の森

針広混交林
私たち日本土地山林株式会社は、兵庫県朝来市に約1,800ha、兵庫県豊岡市に約60haの森林を所有しています。
左写真中央の濃い緑色の部分はスギ林で、スギは当社の森林では最も多く、約46%を占めています。
その手前の少し薄い緑色の部分がヒノキ林で、全体の11%程度となっています。 上部の少し赤みがかっている部分が広葉樹林です。広葉樹は全体の31%を占め、生物多様性を高める要因にもなっています。
広葉樹と針葉樹がモザイク状に配置されるように植林を行い、景観的にも優れた生物多様性を有する森づくりに取り組んでいます。 また、ブナ・ミズナラが多く生育する天然林約100haを保護区として設定し、過度の人工林化を抑制するために自主規制を行っています。


佐中千年家分譲地と社有林 佐中千年家分譲地と社有林の写真です。
写真の手前に写っているのは、当社で企画・運営している分譲地にあるモデルハウスで、ログハウスの体験宿泊も行っています。

 「文化材」創造プロジェクト

「文化材」創造プロジェクト
私たちは森林の一部を「文化材」創造プロジェクト登録林としており、「文化遺産を未来につなぐ森づくりのための有識者会議」に登録しています。
この登録林は、文化財修理などに用いられる年輪を重ねた大きな材(「文化材」と言います)の育成、供給を目的としています。 また、登録林以外の場所においても、現在原則として皆伐は行わず、間伐のみを行っています。
将来的には伐期を三百年に設定した超長伐期施業を、社有林全域を対象として実施する予定となっています。
間伐しかおこなわないという方針は、1本の木を太く育てることを目的の一つとして行っています。三百年の超長伐期施業に向けた取り組みは既に始まっていると言えます。

 気象害に強い森づくり

下層植生
林業は自然を相手にする仕事であるため、天候の影響を大きく受ける産業です。 私たちの山林でも、夏は台風、冬は降雪による倒木がよく発生します。
右の写真は2012年に施業予定の90年生の林で、この付近では例年2m程度の雪が積もります。こういった気象害による倒木を減らすため、私たちは樹冠長率(樹木の全長に対して、葉や枝が占める比率)が高い樹木は気象害に強いという研究結果を元に、樹冠長率50%を目標として、気象害に強い山林の育成にも取り組んでいます。
間伐直後の林内
左の写真は間伐を行ってから約1ヶ月後の様子です。
幅3mの作業道を開設後に間伐を行いました。間伐にも林内の道の整備が不可欠です。
日本の山林は伐倒した木の運搬に非常にコストがかかると言われており、路網整備の遅れがその要因の一つと言われています。
私たちは今年林内の道路を約2,000m新設しました。現在の林内に締める路網の割合は平均すると18m/ha(1haに対して18m)程度ですが、その約5倍にあたる100m/haまで高めることを目標として林道・作業道の整備も実施しています。

 日本鹿による被害

自動撮影カメラ
社有林に自動撮影カメラを設置して、野生動物の調査を行っています。 正面を向いた雄鹿と左上に雌鹿の姿も見られます。
現在、日本国内の多くの地域で、この鹿による被害が深刻な問題となっています。植林した木を食べてしまうのは林業だけへの被害ですが、鹿が食べられる高さにある植物をほとんど食べてしまい、鹿の好まない数種の植物だけが残るという、異常な光景が多くみられます。「生物多様性」という観点からすると、自然環境にとっての著しい脅威となっているといえます。


 作業風景

スイングヤーダー
施業の風景を紹介します。
樹木はチェーンソーで伐倒し、「スイングヤーダー」という林業機械を用い、ワイヤーで縛った木を林道・作業道までウィンチで引っ張り移動させます。 スイングヤーダーで林道まで引き上げる作業や、木に縛り付けたワイヤーを外す(荷外し作業)際には思わぬ危険が潜んでいるのですが、このスイングヤーダーは遠隔操作ができ、機械から離れた場所で操作することができます。また、荷外しも遠隔操作で行うことができる(離れた場所でワイヤーを外せる)「ラジコンチョーカー」という道具を使用し、より安全な作業を心がけています。しかし、それでも気の緩みが命の危険につながる危険な作業であることに変わりはありません。日々安全の確認を行いながら作業に取り組んでいます。
造材作業
林道まで集めた木は、その場でプロセッサという機械で、枝払いをして木材として利用し易い長さに切り揃えます。プロセッサは1台で「枝を切る」「長さを測る」「切り揃える」の3つの作業を同時に行うことができます。こうして適度な長さに切り揃えられた木は、トラックに積み土場という一時的な木の置き場所まで運び、そこから合板などに加工するため工場へ運ばれます。
このように現代の林業には、高性能な林業機械が必要不可欠なものとなっているといえます。
修理作業
左の写真は「スイングヤーダー」の油圧ホースを交換しているところです。林内で作業をしていると、重機のホース等の破損は頻繁に起こります。しかし、その都度部品交換のために重機を整備工場まで運んでいては作業の中断を含め非常に大きな手間と時間がかかります。このため自分たちで行える修理は極力自分たちで行っています。林業機械はまだまだ改善の余地が残っており、使い勝手の向上のため自分たちでパーツを追加するなどの工夫も行っています。


日本土地山林株式会社の森林ページに戻る