三重県県行造林
~ 美し国を育む三重の森林 ~

森林の概要

森林所在地:
三重県津市、度会郡大紀町、北牟婁郡紀北町、尾鷲市
森林所有者:
津市、大紀町、紀北町、尾鷲市
認定対象面積:
1,056.83ha

森林の概要

三重県の概要

三重県は、京都・奈良・名古屋・伊勢などの都と城下町、寺社建築に良質材を多量に供給するために吉野・美濃・木曽・尾鷲など古くから林業が盛んな地域の一つであり、特に伊勢湾周辺の山地はスギの生産もさることながらヒノキの銘木を配する地域として林業が今も息づいている。しかしながら、全国での傾向と同じく、近年までの木材価格の低迷で林業は衰退し、森林所有者の営林意欲の低下は、荒廃森林の増加、不連続な材の供給、山林労働者の高齢化と減少、最近はアカネトラカミキリ(アリクイ)の被害を受けるなど、逆風に晒されつつあるが、一方では林業地としての底力を支えとし、大規模山林所有者と森林組合が連携して、今もなお森林整備と木材流通・加工の盛んな地域として森林・林業のわが国の中核となっている。
人工林の樹種分布は、県の北側ではスギが比較的多いが、南側ではヒノキの比率が高くなる。その林齢構成は、40年~60年生の戦後の拡大造林した林分が面積的に突出するものの、管理された森林からは良質材や並材が利用間伐で収穫できる状態にある。
地形・地質は、三重県中心部に位置する櫛田川の中央構造線に代表されるように、脆い第三紀層で概ね構成され、急峻な山岳と年3,000mmは越す豊かな降水に恵まれ、時には豪雨となって山地被害がもたらされる。
三重県県行造林は、現在県下14市町に35箇所指定され、明治39年(1906年)に県設模範林を設定して以来101年の歴史のなかで、地域林業の振興、森林の公益的機能の維持増進、県及び市町等の基本財産の造成を目的として、その役割を担っていきた。県行造林の基本理念は「木材生産と環境保全の調和であり、地域の水源林として複層林の造成や間伐の積極的な実施、保健休養、森林環境教育の場として多様な取り組みを行い、今後も経営の合理化を図りながら、森林・林業のもつ様々な機能の発揮を目指している。なお県行造林地は、自然公園として、北から「室生赤目青山国定公園」、「赤目一志峡県立自然公園」、「奥伊勢宮川県立自然公園」の一部に含まれている。

森林と管理等の概要

対象地は三重県と和歌山県等を境とする標高約1,500mの背陵山地を刻む東西の大流域内に含まれ、いずれも30度を超す急峻な山地となっている。フォレストック認定対象面積は1,056.83ha、そのうち除地58.41haを除く森林面積は998.42 haである。そのうち人工林は725.57haで、人工林率は72.7%である。天然林は272.85ha で、27.3%の比率を占める。人工林の内訳は、針葉樹林はヒノキ林が459.61haで63.3%を占め、スギ林が265.96haで36.7%を占める。アカマツやクロマツなどのマツ林はマツノザイセンチュウによる枯れが目立ち広葉樹林化しているため、天然林に分類した。
森林管理の統括は三重県であり、5年間の県行造林経営計画を樹立し、計画に記された事業の基本方針、事業の長期的見通し、事業実施計画に基づき持続的な林業と森林の多面的機能の発揮を目指している。この経営計画をマスタープランとして、実務作業は入札による委託業者が実施している。経営は木材価格の低迷等林業を取り巻く諸条件の悪化に伴い立木の売り払い収入低下による不採算の状況が続き、現在は長伐期施業への転換を図りながら、経営の合理化、経費の削減に努めている。森林管理は、林齢構成からみて、保育の初段階(新植・下刈り・枝打ち等)を終え、保育間伐(除伐)を主体に施業を行ってきたが、直径が利用サイズに達してきたため、丸太材を中心に利用間伐による収穫も行っている。

CO2吸収量クレジットの算定量

 7,205t-CO2(4年度 算定)
 7,205t-CO2(3年度 確定)
 7,397t-CO2(2年度 確定)
 7,402t-CO2(初年度 確定)

概要説明

森林吸収源の評価においては、認定対象面積1056.83haうち、除地を除く998.42haを対象とした。スギ・ヒノキ針葉樹人工林は725.57ha、広葉樹林に変わりつつあるマツ林を含む天然林(広葉樹林)は272.85haである。
人工林の林齢構成は、9~12齢級をピークとて集中しており、この3段階の齢級で全人工林の74.4%を占めている。スギは、10齢級と12齢級が突出するが、林齢は比較的平準化されており、ヒノキは10・11齢級を中心に正規分布型に集中している。 一方、天然林は9齢級と15齢級が突出し、戦前に残っていた広葉樹林と戦後まで薪炭林として残っていたものが放置されて今に至っている林分に分かれる。広葉樹林は標高の高いところでクリ-コナラ林が見られるが、多くはアラカシ、コジイ、ウラジロガシなどの常緑樹で構成されており広葉樹林は森林面積の27.3%である。

生物多様性の評価

概要説明

林道沿いではヒノキ林・スギ林の人工林であるが、林道から離れた斜面中上部には広葉樹林が混じり、全体として針葉樹林の中に広葉樹林がモザイク状に配置された景観となっている。広葉樹林の占有面積は約30%であるが、クヌギ・コナラ等の広葉樹林及び枯死したアカマツ林からの広葉樹林転換林が混じり、景観レベルでの多様性は保たれている。
自然自生種が渓流沿いに繁茂し、連続した渓畔林が見られる。中には発達した渓畔林もあり、渓流環境は良好で、清冽な水を流し、アマゴやカジカガエル等の清流に住む水生動物も確認できた。
渓流沿いの良好環境、斜面中上部の広葉樹林の存在が大きく、種々の野鳥の鳴き声、姿が確認された。カラ類のほか、セキレイ類などの鳴き声、姿が確認された。
県では三重県生物多様性保全検討システム実施要領が作成されており、県のレッドデータリストに記載された貴重種等とその環境を保護する方針が打ち出されている。また、水源涵養保安林が全域に指定され、森林法の規定を遵守している。

写真・地図

写真


  • 県行造林位置・範囲看板

  • 斜面中上部に広葉樹が混じり、景観が優れている

  • 境界は明確

  • ヒノキ林の閉じた林冠、スギ林より優先して間伐

  • 2段林、複層林の試行は進んでいる

  • 広葉樹二次林

  • シカによる被害対策のテープ巻き

  • 南部ヒノキ林地帯では特有のウラジロシダ繁茂

  • 傾斜43度の急斜面でも間伐行き届く

  • ヤマツツジ

  • 渓畔林を伴った清流

  • 鳥の巣箱

森林位置図

認定期間

 2012.11.01 ~ 2017.10.31

認定取得者の公開情報

三重県ホームページ

認定一覧表に戻る