葛巻町森林組合の管理森林
~ 森林資源の循環利用と持続可能な森林「くずまき高原の森」 ~

森林の概要

森林所在地:
岩手県岩手郡葛巻町
森林所有者:
葛巻町ほか
認定対象面積:
1,884.98ha

森林の概要

岩手県の北部に位置する葛巻町は、総面積434.99km2、総人口6,839人(平成26年度)で、町の中心部は標高約400mですが、 周囲は山に囲まれており、牧場等として利用されています。 町の基幹産業は酪農と林業です。酪農は牛の頭数、牛乳生産量ともに東北一の酪農地(年間出荷量約35,000t:平成26年度)です。
森林面積は、町の総面積の85%にあたる370.55km2であり、町有林は1,625.55haとなっています。 林業は森林の持つ機能と調和した整備を進め、造林、伐採から木材の流通、加工まで、地場産材を利用した地域林業の確立を目指しています。 さらに、町の資源を有効活用し、生産、製造、サービスを担当する4つの第三セクターを組み合わせた総合産業による地域活性化を進めています。
町のキャッチフレーズは「北緯40度 ミルクとワインとクリ-ンエネルギ-のまち・葛巻町」としており、 高標高地に位置する牧場・農場を活用したグリーンツーリズム、山ぶどうを原料とした「くずまきワイン」を生産しています。 また、新エネルギー発電では風力発電のほか、太陽光発電・バイオマス発電・薪炭利用など多岐にわたった森林資源の利用に積極的に取り組んでいます。

町有林は、葛巻町森林組合に委託して施業・管理を委託しています。葛巻町森林組合は、組合員数1,170名で、町全体の森林整備のほか、平成16年より、 民間企業と連携して、「森の新ビジネス展開事業」に取り組んでいます。 この事業では、間伐材の木炭の需要拡大、木炭の特定防除資材利用、木炭を活用した水質浄化システムの設置などをめざすとともに、 森林ボランティア活動の推進、里山の再生・整備、雇用の推進も図っています。なお、2005年にはFSC CoC 認証を取得しています。
フォレストック認定の対象森林は高原地形が多く、山地斜面勾配は平均27°以下と比較的緩やかな地形が多くなっています。

CO2吸収量クレジットの算定量

 5,975t-CO2(5年度 確定)
 5,396t-CO2(4年度 確定)
 7,091t-CO2(3年度 確定)
 7,094t-CO2(2年度 確定)
 7,094t-CO2(初年度 確定)

概要説明

森林吸収源の評価においては、認定対象森林1884.98ha を対象とした。
人工林896.65ha と、天然林983.33ha である。 年間材積成長量算出にあたっては、森林家必携(1974年版)より、スギ人工林は「宮城地方スギ林林分収穫表(林野庁昭和27年)」 地位:下、アカマツ人工林およびアカマツ天然林は「岩手地方アカマツ林林分収穫表(林野庁昭和24 年)」地位:下、カラマツ人工林は「信州地方カラマツ林林分収穫表(林業試験場昭和31 年)」地位:Ⅳを採用した。広葉樹人工林および天然林においては、同書より「内地一般雑木林平均収穫表」を用いた。 各収穫表より、齢級ごとのha 当たり蓄積(材積)を計算し、それに面積を乗じて現蓄 積を算出し、次齢級蓄積はha あたり次年度蓄積に当該齢級面積を乗じて求めた。次 齢級蓄積-現蓄積で当該齢級の年間材積成長量を算出した。 年間材積成長量に乗じる拡大係数は、スギ、アカマツ、カラマツには、それぞれスギ、 アカマツ、カラマツを、広葉樹林は現地調査等の結果よりナラ類が優勢すると判断し、 すべてナラの拡大係数を用いた。

生物多様性の評価

定量指標ならびに定性指標において、非常に高い評価を得ている。 各調査山林ともにさえずり、地鳴きがよく聞かれた。とくにカラ類など樹林地性鳥類の鳴き声が多く聞かれたほか、高標高域の牧場周辺の上空ではワシタカ類(種名は不明)の飛翔が見られた。
人工林は、アカマツ、カラマツが多くを占めてるが、所有地内にはミズナラ、コナラなどの広葉樹林地も散在している。 カラマツ・アカマツ林は明るく、亜高木層、低木層が形成され、林内の階層構造が発達し、広葉樹林・草地も交えた景観レベルでの多様性は維持されているものと推察される。
クマイザサが優占し、単調な植物相となっている林分が見られたが、多くの山林では、亜高木層、低木層が成立している。草本層にも木本類の稚樹の芽生え見られ、良好な階層構造が形成されている林分が多い。
渓流沿いに林道が敷設されている部分があり、この部分ではバッファとなる植生が見られなかったが、そのほかの渓流と林道の間には渓畔林、湿性植物群落が位置しており、良好な渓流・渓畔環境を維持している。 渓畔の側岸浸食もほとんど見られない。管理者もバッファーゾーンの必要性に関する認識がある。

写真・地図

写真


  • 牧場と森林がつくり出す葛巻町の代表的な景観

  • 適度に間伐された明るいカラマツ林。植物相も豊か

  • 適度に間伐され、下層植生の生育にも十分な光量が得られる

  • クマイザサが優占するカラマツ林

  • 林床でシイタケ栽培(畜産公社)を行っているアカマツ

  • 火山灰土と腐植土で構成される黒ボク土

  • 緩やかな高原地形を活かした新設林道

  • ミズナラ、シナノキ、オオヤマザクラなどで構成される広葉樹林

  • 湿性植物と渓畔林に縁取られた幅のある良好な渓畔環境

  • 間伐材を利用した薪の生産

  • 炭焼き窯。木酢液、タールも様々に利用している。

森林位置図

認定期間

 2011.10.24 ~ 2016.10.23

認定取得者の公開情報

 葛巻町ホームページ(http://www.town.kuzumaki.iwate.jp/) 別ウィンドウ

 葛巻町森林組合ホームページ(http://www.kuzumaki.org/) 別ウィンドウ

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