釜石地方森林組合の管理森林
~ 三陸復興の森 希望 ~

森林の概要

森林所在地:
岩手県釜石市、岩手県上閉伊郡大槌町
森林所有者:
釜石市ほか
認定対象面積:
2,400.87ha

森林の概要

岩手県の南東部、陸中海岸国立公園の中心に位置する釜石市は、総面積441.42km2、総人口40,056人で、 三陸漁業の中心地として、また近代製鉄業発祥の地として知られています。
年平均気温は11.8℃、年間降水量1,597mmで温暖で湿潤な気候域ですが、太平洋沖合部で暖流と寒流がぶつかり、海流の状態によっては、夏季に冷涼な海風がはいりやすい地域です。 とくに初夏には山瀬(やませ)の影響を受けることもあります。 岩手県は豪雪地帯に属しますが、釜石の内陸部の積雪はそれほど多くなく、さらに近年は少ない傾向にあります。森林面積は、町の総面積の56.5%にあたる249.88km2です。
また、岩手県の南東部、陸中海岸国立公園の中心に位置する大槌町は、釜石市の北に隣接する総面積200.59km2、 総人口15,276人で、主な産業は三陸沿岸での漁業です。太平洋に注ぐ大槌川と小槌川によって形成される沖積平野に地域の中心部が位置しています。
釜石市同様、三陸沿岸に位置しているため、海洋の影響と地理的条件から四季を通じて、温暖な気候域ですが、海流の状態によっては、夏季に冷涼な海風がはいりやすい地域です。 とくに初夏には山瀬(やませ)の影響を受けることもあります。 岩手県は豪雪地帯に属しますが、大土町の陸部の積雪はそれほど多くなく、さらに近年は少ない傾向にあります。森林面積は、町の総面積の88.7%にあたる177.98km2です。
2011年3月には東北地方太平洋沖地震とそれに伴って発生した津波により引き起こされた東日本大震災により沿岸域のスギ林は立ち枯れの被害を受けていますが、森林面積全体から見れば、立ち枯れ面積は極少数です。 また釜石市役所、大槌町役場のほか釜石地方森林組合事務所も甚大な被害を受け役場や事業所が流失し、現在大槌町役場、森林組合は仮事務所に移転して業務を行っています。
フォレストック認定対象森林は、沿岸のリアス式海岸に沿った斜面地に位置する山林と内陸地に分布しいますが、いずれの山林も斜面勾配が急峻な地形が多くなっています。
森林面積は、2,400.87ha、人工林率は41.3%です。人工林のうち、針葉樹林はアカマツ林、スギ林がそれぞれ43.8%と40.6%、カラマツ林が12.2%でこのほか極小面積ではあるがヒノキ林があります。
人工林以外の天然林(二次林)は、釜石市ではアカマツの天然林などが沿岸部を中心に分布しています。 大槌町では、内陸部にクリ-コナラ群落が人工林ともモザイク状に分布しています。さらに内陸の高標高域ではクリ-ミズナラ群落が分布しています。 市有林、町有林ともに釜石地方森林組合が管理をしています。

CO2吸収量の算定量

 9,380t-CO2(5年度 確定)
 3,723t-CO2(4年度 確定)
 9,436t-CO2(3年度 確定)
 9,442t-CO2(2年度 確定)
 9,442t-CO2(初年度 確定)

概要説明

森林吸収源の評価においては、認定対象森林2,400.87haを対象とした。人工林は992.57ha、天然林は1,408.30haである。
年間材積成長量算出にあたっては、森林家必携(1974年版)より、スギ人工林は「宮城地方スギ林林分収穫表(林野庁昭和27年)」地位:中(釜石市・大槌町)、アカマツ人工林およびアカマツ天然林は「岩手地方アカマツ林林分収穫表(林野庁昭和24年)」地位:中(釜石市)・地位:下(大槌町)、カラマツ人工林は「信州地方カラマツ林林分収穫表(林業試験場昭和31年)」地位:Ⅲ(釜石市)・地位:Ⅱ(大槌町)を採用した。広葉樹人工林および天然林においては、同書より両地域ともに「内地一般雑木林平均収穫表」を用いた。
まず各収穫表より、齢級ごとのha当たり蓄積(材積)を計算し、それに面積を乗じて現蓄積を算出する。 次齢級蓄積はhaあたり次年度蓄積に当該齢級面積を乗じた。
次齢級蓄積-現蓄積で当該齢級の年間材積成長量を算出した。
年間材積成長量に乗じる拡大係数は、スギ、アカマツ、カラマツには、それぞれスギ、アカマツ、カラマツを、 広葉樹林は現地調査等の結果よりナラ類が優勢すると判断し、すべてナラの拡大係数を用いた。 なお、ヒノキ人工林が19.09ha存在するが、人工林全体の1.9%と小面積であるためスギ人工林に含め算出した。

生物多様性の評価

定量指標ならびに定性指標のいずれにおいても高い評価を得ている森林である。
各調査山林とも時間帯にかかわらずさえずり、地鳴きがよく聞かれ、飛翔する姿も確認された。カラ類のほか、セキレイ類などの鳴き声、姿が確認された。
沿岸域はリアス式海岸地形を覆うように森林が分布し、特有の森林景観を形成している。 人工林は、アカマツ、カラマツが多くを占めるが、所有地内にはミズナラ、コナラなどの広葉樹林地も散在している。 アカマツ林では亜高木層、低木層が形成され、階層構造を有する各種樹林がモザイク状に配置され景観レベルでの多様性は高い。
やや間伐が遅れたスギ林では亜高木層、低木層が欠落した林分があり、やや単調な植物相となっている林分が見られたが、 アカマツ林やスギの高齢林などをはじめとして、亜高木層、低木層が成立し植物相も豊かで、良好な階層構造を形成した林分がみられた。
一部渓流沿いに林道が敷設され、伐採後の残材が放置されている林分や、渓流沿い近くまでスギが植林されている林分も見られたが、 渓畔林、湿性植物群落を伴った渓流もみられ、比較的良好な渓畔環境を維持している。 管理者もバッファーゾーンの必要性に関する認識があり、渓流沿いに関しては手を入れないように維持している。 また渓流内に土砂が流入しないように山腹工(土留工)を設置している。

写真・地図

写真


  • リアス式海岸の斜面に位置する人工林と自然林

  • 適度に間伐され、下層植生の生育にも十分な光量が得られる

  • 階層構造が形成されているアカマツ林。光が差し込み植物相も豊か

  • 山林内で確認されたリスの食痕

  • 森林褐色土の土壌。A0層A層の層厚は厚い。

  • 年輪の形成は一様で成長も良く管理されている

  • 根張りの良い50年生のスギ

  • 渓畔林を伴った渓流

  • 町有林に隣接する筋山自然遊歩道の歩道

  • 清涼な流れで渓畔林も維持されている

  • 年輪は均質で適切に管理されている

森林位置図

認定期間

 2011.10.24 ~ 2016.10.23

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