浄安森林組合の管理森林
~ 漆伝統文化を守る森 ~

森林の概要

森林所在地:
岩手県二戸市、八幡平市
森林所有者:
二戸市 ほか
認定対象面積:
4,340.70ha

森林の概要

二戸市・八幡平市の概要

二戸市は岩手県内陸部の北端に位置し、青森県境に接する。平成18年に旧二戸市と浄法寺町が合併して誕生した。東は北上山地、西は奥羽山脈からなる山地・丘陵地が広がり、市の中心部を馬淵川とその支流の安比川等が流れており、その流域沿いに市街地、集落が形成されている。浄法寺地区は、葉タバコ栽培や漆塗りなど伝統的な産業が多く残る地域である。
八幡平市は、岩手県北西部に位置する。平成17年に岩手郡西根町、松尾村、安代町が合併し誕生した。北西部を奥羽山脈が走り分水嶺を形成し、南部地域を流れる松川は北上川に合流して太平洋に、北部地域を水源とする米代川は秋田県能代市沖の日本海に、安比川は馬淵川に合流して青森県八戸市沖の太平洋にそれぞれ注いでいる。岩手山、八幡平、安比高原など日本有数の風光明媚な山岳、高原に囲まれた中に西根盆地が広がり、農業も盛んな県内有数の農林業地帯である。

森林・管理等の概要

二戸市の森林面積は31,215haで森林率は74%。内訳では、民有林が26,900haと約86%を占め、民有林の約77%にあたる24,022haが私有林である。また、民有林の人工林率は50.5%である。八幡平市の森林面積は、67,980haで森林率は78%。内訳では、民有林が23,264ha(33%)、国有林が45,686ha(67%)と、国有林面積の比率が高い。民有林の人工林率は53%と二戸市と同程度である。
認定対象森林4,340.70haのうち、人工林は1,894.55ha、天然林は2,446.15ha。人工林が43.6%を占める。人工林はアカマツが814.41ha、スギが797.08haと多く、この二樹種で人工林の85.1%を占める。次いでカラマツが180.16ha(9.5%)ある。広葉樹人工林は85.43ha(4.5%)である。
森林組合は、森林所有者等から施業委託を受けて施業集約化を推進し、地域の森林整備を進めている。浄法寺地区では、伝統的に漆塗りの里として知られており、全国的に漆塗り産業が衰退している中、当地では伝統文化を継承すべく、材料となるウルシの植林にも積極的に取り組んでいる。

CO2吸収量クレジットの算定量

 15,001t-CO2(4年度 算定)
 15,001t-CO2(3年度 確定)
 15,001t-CO2(2年度 確定)
 15,015t-CO2(初年度 確定)

概要説明

森林吸収源の評価においては、認定対象森林4,340.70haを対象とした。アカマツ、カラマツ、スギ等針葉樹林2148.58haと、広葉樹林2192.12haである。
人工林の林齢構成のうち、アカマツ・カラマツ林は5齢級までは、ごくわずかな面積があるのみで、10齢級をピークとし8~11齢級に集中している。スギ林は、6~10齢級に偏るが、5齢級以下も分布する。広葉樹人工林は近年の取り組みであることから3齢級までが主となっている。どの樹種においても、70年生以上(14齢級以上)の高齢林は少ない。天然林の林齢構成は、10~12齢級に集中するが、2齢級から24齢級まで広い範囲で分布する。天然林の86%を広葉樹が占めるが、アカマツも338.07ha(14%)ある。

生物多様性の評価

概要説明

人工林は、アカマツ、カラマツ、スギが多くを占め、対象地域内にはミズナラ、コナラなどの広葉樹林地も広く分布している。アカマツ林では亜高木層の形成は劣るものの低木層が形成され、林内の階層構造による景観レベルでの多様性は一定程度維持されている。
渓流沿いで一部伐採されている部分もみられたが、その他の林地では、渓流沿い、水際付近に渓畔林、湿性植物群落が形成されており、良好な渓流・渓畔環境を維持している。渓畔の側岸浸食もほとんど見られず、管理者もバッファーゾーンの必要性に関する認識がある。
調査山林ともにさえずり、地鳴きがよく聞かれ、とくにカラ類など樹林地性鳥類の鳴き声が多く聞かれた。林地内、林地周辺には広葉樹が多く見られることから、餌料生物(昆虫類)も十分に確保できているものと推察される。上空ではワシタカ類の飛翔が見ら、山林管理者が野鳥の巣箱を設置し、ワシタカ類の繁殖期には間伐をしない(音に対して配慮)など、野生生物の生息環境に配慮している。
自然関連の法規制に関しては理解しており、各種自然環境保全関連、河川法・砂防法に関連する指定地の位置と内容について理解している。注目すべき植物群落(ミズバショウ群落)については作業員もその存在を認識しており、ローピングを施して保護区域として区域設定している。

写真・地図

写真


  • 適度に間伐され、下層植生の生育にも十分な光量が得られているアカマツ林。亜高木層はない。

  • 尾根付近のアカマツ林。下層植生の生育は十分であるがツル上がりが目立つ。

  • 階層構造が形成されているアカマツ林。生物多様性に寄与している。

  • 間伐1年後のカラマツ林。形質は通直で成長も良好。

  • 亜高木層もみられ階層構造が形成されているカラマツ林。

  • アカマツ林の樹冠。適度に太陽光が得られている明るい林内。

  • 適正に間伐され適度な密度で管理されているスギ林であるが、階層構造はみられない。

  • 南部ヒノキ林地帯では特有のウラジロシダ繁茂

  • スギの新植地

  • 二戸市浄法寺地域は、国産漆の6割を生産している。森林組合でもウルシの栽培を手がけている。

  • 植栽後1年目のウルシの若木。

森林位置図

認定期間

 2012.11.01 ~ 2017.10.31

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