東吾妻町の森林
~ 自然と共生し資源の循環を目指す ~

森林の概要

森林所在地:
群馬県吾妻郡東吾妻町
森林所有者:
東吾妻町
認定対象面積:
879.96ha

森林の概要

東吾妻町の沿革

東吾妻町は、群馬県の北西部に位置し、東は渋川市、北は中之条町、西は長野原町、南は高崎市に接する東西約28km、南北約16km、面積253.65km2である。町域には岩櫃山や浅間隠山などがそびえ、周囲には1,000メートル級の峰々が連なっている。名勝地吾妻渓谷を有する吾妻川をはじめ、「日本名水百選」に選定された箱島湧水もあり、水と緑に恵まれた自然環境の豊かな町である。 旧吾妻町と旧東村が平成18年3月27日に合併して誕生した人口16,183人(平成23年12月1日現在)の町で、主な産業は農業と畜産であり、林業従事者は町全体で31人(平成17年度林業従事者実態調査)と少ない。
合併前の町有林は、それぞれ旧吾妻町有林および旧東村有林として管理されていた。旧吾妻町と旧東村では、施業の方法が異なっている部分もあった。例えば、旧吾妻町では主に地元の森林組合に委託して施業を行い、間伐は強度に行っていたのに対し、旧東村では直営の作業員を有して弱度の間伐を行っていた。
町有林の大部分は、旧部落有林が明治以降の市町村制定により町有林になったものが始まりと考えられる。また、平成18年の合併後に購入した森林や、寄付を受けた森林も一部存在する。

森林の管理と概要

東吾妻町全体の森林面積は、19,627haで、町の総面積の77.4%を占めている。民有林面積は12,121haで、そのうちスギを主体とした人工林の面積は7,231haであり、人工林率59.7%で県平均よりやや高めである。人工林のうち45年生から54年生の林分が3,716haで51.4%と大半を占めており、今後手入れが遅れがちな森林に間伐等による保育作業を適正に実施していくことが重要である。
現在、東吾妻町有林の施業は、主に吾妻森林組合に委託して行っている。また、旧町村単位の坂上、岩島、原町、太田、東の地区ごとに、1人から2人の町有林の境界巡視員を委託している。年1回、巡視員全員と、森林組合担当者、町担当者が集まって会議を行う。巡視員の報告を受け、次年度施業が必要な林分を抽出し、次年度の施業計画に反映させている。現在町有林においては皆伐を行っておらず、継続した間伐による長伐期化を図っており、間伐面積は年間数十ha である。また植樹祭などで広葉樹を植林した場所もあり、下刈りや間伐を行っている。町有林には一部分収林も含まれている。ここ数年の間で、ニホンジカやイノシシ、ニホンザルなど野生動物の個体数が増加してきている。広葉樹植林地においては、ニホンジカの食害を防ぐために、コニファーなどの忌避剤を使用している。

CO2吸収量クレジットの算定量

 4,065 t-CO2(5年度 算定)
 4,065 t-CO2(4年度 確定)
 4,065 t-CO2(3年度 確定)
 4,065 t-CO2(2年度 確定)
 4,069 t-CO2(初年度 確定)

概要説明

CO2吸収量の算定においては、人工林708.06haと天然林170.59haを対象とした。うち人工林には分収造林地106.92haが含まれている。 材積成長量は、群馬県民有林人工林林分材積表(昭和63年 群馬県林務部)のスギ(地位Ⅳ)、ヒノキ(地位Ⅳ)、マツ(地位Ⅴ)、カラマツ(地位Ⅲ)、広葉樹(地位下限)から、各齢級の定期平均成長量を計算し、それに面積を乗じて算出した。小面積のその他針葉樹はスギの面積に加え、小面積のクヌギ、アカシアは広葉樹の面積に加えた。

生物多様性の評価

概要説明

地域の特徴として、大規模一斉造林地は見られず、小規模な植林地が分散している。また、人工林においても特定の樹種に偏らず、スギ、カラマツ、ヒノキ、アカマツが程よく分散しており、広葉樹二次林と相まって、多様な景観を形成している。そのため景観レベルでの多様性は非常に高い。 カラマツ、アカマツの林分では林内が明るいため広葉樹がよく発達していた。
町有林の人工林における間伐はほぼ一巡している。現地調査においても間伐が遅れ荒廃した森林は見られなかった。 間伐が進んでおり、林分内の樹木はよく成長していた。間伐遅れによる成長が遅れた樹木は見られなかった。 林縁の枝は枝打ちをせず残されており、多くの着葉が観察された。周囲には特に低木群落は形成されていなかった。
町有林全体で定性間伐による間伐がほぼ一巡して行われているため、立木密度や間隔は適正に保たれていた。間伐遅れによる密集した林分や間隔が大きくばらついた林分は観察されなかった。
群馬県による鳥類生息密度調査が平成21年度に行われており、旧吾妻町地域で7目30科73種、旧東村地域で11目29科57種の鳥類が確認されている。
町有林の約2割を占める広葉樹林では、一部シイタケ原木の伐採が行われているが、基本的に手をつけず残されている。
ニホンジカやウサギによる苗木の食害やニホンジカによる剥皮被害は、観察した範囲内ではまだ軽微であった。 伐倒木を沢に入れないことを徹底している。また、下刈りの際などに、鳥類の卵を発見した際はそのまま残している。町有林担当者は、作業後の状況を森林組合から提出される写真で確認している。 保安林指定地はすべて森林簿で把握している。鳥獣保護区や砂防指定地はない。町有地に岩櫃城跡があり、町の史跡となっているが、森林管理という形の管理ではない。希少生物の特定は特に行われておらず、保護の取り組みはなされていない。 林道は県や町により管理されている。浸食などは見られず適切に管理されていた。機械作業による林内土壌への影響は見られなかった。

写真・地図

写真


  • 人工林と天然林がモザイク状に分布

  • 林縁木は枝打ちがなされず葉量が多い

  • ヒノキ13年生林分。間伐、枝打ち後のため林内は明るい。

  • スギ56年生林分

  • 渓畔の成長したカラマツ林。林内は明るい。

  • 斜面上部の間伐されたカラマツ林

  • 尾根沿いのアカマツ林は明るい林分を形成している

  • 南斜面のアカマツ林では下層植生がよく発達している

  • 右岸は主に榛名山由来の黒ボク土である

  • 左岸は主に褐色森林土である

  • 黒ボク土から成る渓流が台風に伴う大雨により大きく浸食されていた箇所

  • 林内で見られたニホンジカの糞

  • ニホンジカの食痕

  • ツキノワグマの爪痕と思われる

森林位置図

認定期間

 2012.6.1 ~ 2017.5.31

認定取得者の公開情報

東吾妻町ホームページ

認定一覧表に戻る