一般社団法人フォレストック協会

認定森林

エコ計画の森林

上州の水源・烏川源流を守る「エコのコエ」が聞こえる森

森林の概要

森林所在地
群馬県高崎市倉渕町
森林所有者
株式会社エコ計画
認定対象面積
958.13ha

沿革

株式会社エコ計画(以後、エコ計画)は、当該森林を4年前に取得した。現在は、烏川森林組合に森林施業計画の策定や間伐作業等を委託しているが、今後は独自で森林経営計画を樹立し、素材生産業者等に作業を依頼していく予定である。エコ計画が森林を取得する以前は、戦後直後から清水興業株式会社が当該森林を約50年間所有し、戦前に植栽された人工林を伐採・搬出しながら、拡大造林を行い、林業を生業とし、全盛期は10数名の従業員を抱え、地域の主産業として活動してきた。エコ計画の森林は、広葉樹林が多いものの、スギを主体とする人工林には手入れがなされ、6m程度の枝打ちが施されていることから、かつての盛隆ぶりが偲ばれる。

対象森林が存在する群馬県高崎市倉渕町は、古くから中山道の裏街道として栄え、85.5%の森林率を持つ地勢ゆえ、林業と山間地農業を主体に生活を営んできた。近年は軽井沢に隣接するという地の利を生かし、自然に親しむ観光・温泉地として注目を浴びつつある。なお、林業の歴史上特筆されるのは、江戸城造営時に当地のケヤキ等が利用されたこと等であり、長年に亘って銘木を有する森林と林業地帯であったことがうかがわれる。

森林・管理等の概要

群馬県高崎市倉渕町は、利根川支流の烏川流域に位置し、長野県北佐久郡に接する最上流域にあり、鼻曲山(標高1654m)と浅間隠山(標高1757m)との間の峠を分水嶺とした山塊を有する。

フォレストック認定対象面積は958.15haであり、そのうち更新困難地や未立木地は0.99haである。森林所有者はエコ計画であり、そのうちの803.54haはエコ計画が、残る地域は分収造林地で独立行政法人森林総合研究所森林農地整備センター(旧 独立行政法人緑資源機構。以後、整備センター。)が151.09haを、また群馬県林業公社(以後、林業公社)が3.52haを管理している。エコ計画の森林施業計画作成及び森林管理の実務は、烏川森林組合と受委託契約を結び実施している。

全山の森林面積957.16haのうち、人工林は306.69ha、天然林は650.47haであり、全体の人工林率は32%である。人工林のうち、スギが127.841haで42%を占め最も多く、次いでカラマツが111.83haで36%を占め、この2種で約80%となる。そのほか、ヒノキが67.02ha(22%)となっている。

CO2吸収量クレジットの算定量

概要説明

森林吸収源の評価においては、認定対象面積958.15haうち、更新困難地および除地0.99haを除く、957.16haを対象とした。また、認定対象地には独立行政法人森林総合研究所森林農地整備センター(旧 独立行政法人緑資源機構)および群馬県林業公社と分収契約を結んでいる。分収林面積はそれぞれ151.09ha、3.52haであり、また分収割合は5:5、6:4である。分収林における年間炭素・二酸化炭素吸収総量は、幹材積成長量を分収割合により按分することとする。

人工林の齢級構成は、9齢級をピークとしてそこに集中しており、若齢も高齢も少ない。保育と収穫のバランスをとりながら、人工林からの持続的収穫に向けた取り組みが必要である。天然林(広葉樹林)は10齢級以上の壮年から高年齢で平準化しており、戦後の薪炭林の成熟と、薪炭で禿山化したところの広葉樹林繁茂による二つのケースがまじりあったものとみなされる。いずれにしても、多様な樹種、林齢の森林が分布している。

生物多様性の評価

概要説明

公道・作業道沿いはスギ・カラマツ等の人工林であるが、林道から離れた地域には広葉樹林が広がり、壮齢から高齢の二次林地帯となっている。これらの広葉樹林が火山地形の複雑な起伏とともに様々な群落を成立させており、全体として広葉樹林の中に針葉樹林が配置された優れた景観となっている。それゆえ、生物多様性の維持にも繋がっている。

渓流沿いには、サワグルミ、トチノキ、カエデ類など自然に成立する広葉樹渓畔林が形成されており、渓流の生物生息地(イワナ、サンショウウオ等)及び優れた水辺環境のバッファーゾーンが形成されている。

自然林に近い広葉樹や広葉樹二次林、そして人工林も植生が繁茂するなど、鳥類にとって好適環境となっている。現場調査時にも、オオルリ、ツツドリ、カケス、ホトトギス、キセキレイ、カラ類等多数の鳥類を視認し、多くの種類の鳴き声が確認された。

国立公園や国定公園など自然公園法には該当しないが、森林法の保安林(水源涵養保安林、保健保安林)に全域が指定されている。広葉樹林は伐採されず自然遷移に任され、人工林については伐倒木の等高線状配置など、保安林で規定される治山事業に則り施業されている様子が観察された。

写真・地図

浅間山の東麓溶岩台地上の森林風景(対象地外。隣接する吾妻郡長野原町)
浅間山の東麓溶岩台地上の森林風景(対象地外。隣接する吾妻郡長野原町)
スギ・カラマツ・広葉樹と多様な林分配置
スギ・カラマツ・広葉樹と多様な林分配置
カモシカと遭遇。同じ林地にもう一匹。
カモシカと遭遇。同じ林地にもう一匹。
62年生のスギ林。本数密度も適正で、直径も平均35cmと太め。
62年生のスギ林。本数密度も適正で、直径も平均35cmと太め。
低木層が繁茂し、針広混交林となったカラマツ林。カラマツは広葉樹に被圧され、形質悪い。
低木層が繁茂し、針広混交林となったカラマツ林。カラマツは広葉樹に被圧され、形質悪い。
樹冠開放度35%のスギ林。2-3年以内に間伐されていると思われ、樹冠・林内は十分な光を受ける。
樹冠開放度35%のスギ林。2-3年以内に間伐されていると思われ、樹冠・林内は十分な光を受ける。
対象森林区域内にある登山道。
対象森林区域内にある登山道。
渓流と渓畔林。安定した渓畔林への移行期のもの。
渓流と渓畔林。安定した渓畔林への移行期のもの。
渓畔林。火山性地帯には貴重な空間である。
渓畔林。火山性地帯には貴重な空間である。
幕府御用材搬出御会所跡。対象森林のある倉渕地域の木は、かつては御用材として利用されていた
幕府御用材搬出御会所跡。対象森林のある倉渕地域の木は、かつては御用材として利用されていた
御用材搬出の様子は、絵巻として保存されている(対象森林入口にある宿泊施設)。
御用材搬出の様子は、絵巻として保存されている(対象森林入口にある宿泊施設)。

森林位置図

認定期間

2012.11.01 ~ 2017.10.31

フォレストック認定取得関連資料

2012/08/24
株式会社エコ計画の森林森林CO2 吸収・生物多様性調査報告書
2012/10/31
「森林のCO2吸収量と生物多様性レベルの認定」にかかる調査報告書の算定・評価結果に関する審査報告書
2013/10/18
定時モニタリング報告書
2014/11/4
定時モニタリング報告書
2015/10/15
定時モニタリング報告書
2016/10/18
定時モニタリング報告書

認定取得者の公開情報

株式会社エコ計画のホームページ